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Egaroucid 使い方

オセロAI Egaroucidの公式ドキュメントです。各機能の使い方を簡単に紹介します。このページの内容は最新バージョンに合わせてありますが、更新が追いつかない場合もあります。

最終更新: 2024/04/09 Egaroucid 7.0.0

このページは日本語のみです。

目次
  1. 参考リンク
  2. 画面の見方
  3. ショートカットキー一覧
  4. 対局
  5. 設定
  6. 表示
  7. 操作
  8. 入出力
  9. Book
  10. ヘルプ
  11. Language

参考リンク

このページでは各機能の使い方の説明にとどめますが、実際にそれらの機能をどう活用すれば良いのかという内容については別のページに書きました。随時追加予定です。

画面の見方

画面の見方を5つの項目に分けて解説します。

盤面

オセロの盤面です。合法手(打てるところ)の表示や評価値などの表示もできます。マスを直接クリックすることで着手できます。

対局情報

盤面やAIに関係する情報をまとめて表示しています。

現在が何手目で、誰の手番なのか、現在の石数はいくつ対いくつなのか、定石名は何か、AIのレベルはいくつか、を表示しています。

グラフ

対局の形勢などを表すグラフを表示します。

横軸が手数(0手目から60手目まで)で、縦軸が形勢(石差)です。

グラフは真ん中の0で互角、上に行くと黒有利、下に行くと白有利です。

縦軸の値は最終石差の予測値を表していて、具体的には「この局面から双方最善手を打ち続けるとどちらが何石多く勝つか」という値です。

グラフは通常だと形勢を表すように設定されていますが、設定によって双方の累積石損を表示することも可能です。

メニュー

各種操作を行います。

様々な機能がついているので、このサイトではメニューの構成に沿って機能を紹介します。

ログ

AIの計算過程などを表示します。ユーザはあまり気にしなくて良いですが、計算過程が詳細に表示されるので見ていると何の計算をしているのかわかりやすいかもしれません。また、なにか不具合があった場合の解決策のヒントになる場合があります。

ショートカットキー一覧

Egaroucidは頻繁に使う機能にショートカットキーを割り当てています。それをここにまとめます。

また、基本操作として、「取り込む」や「出力する」「スタート」「OK」のようなニュアンスのボタンはEnterキーで操作できます。「戻る」や「この画面から抜ける」のようなニュアンスのボタンはEscキーで操作できます。

対局

メニューのここから辿れる機能です。

新規対局 (人間同士)

盤面を初期状態に戻します。AIが着手しない設定なので、そのまま人間が打ち進めます。石を並べる際や人間同士の対局で使うことを想定しています。

この機能はショートカットキーとしてNを割り当てています。

新規対局 (人間黒番)

盤面を初期状態に戻し、人間が黒番、AIが白番で対戦します。対局用途にも使えますが、ただ石を並べる用途を考えています。

新規対局 (人間白番)

盤面を初期状態に戻し、AIが黒番、人間が白番で対戦します。

AIが初手なので、画面右上に対局開始ボタンが出現します。それを押すと対局が始まります。

新規自己対戦

盤面を初期状態に戻し、AI同士で対戦します。

画面右上に対局開始ボタンが出現します。それを押すと対局が始まります。

分析

対局を分析します。

1手ずつ評価値を再計算して、グラフに描画します。どこで悪手を打ったのかがわかりやすいです。

設定

メニューのここから辿れる機能です。

book使用

AIの着手やヒント計算にbookを使うか否かを選択できます。

bookとは、予め局面に対して評価値を計算しておいたものです。

book変化レベル

bookには最善手以外の手も収録されています。AIの着手時にそのような悪手をどれくらいの確率で打つかを決められます。

book変化レベルが0だと最善手しか打ちません。値が大きくなると悪手を積極的に打つようになります。

最大でbook変化レベルの2倍の石損を許すという意図の設定です。ただ、石損が大きい手は選ぶ確率が低いです。

具体的な計算手法は以下です。

book変化レベルが$X$で、ある局面から手を選択するとき、bookに登録されている着手の評価値の集合を$A=\{(v,m)\}$とします。ここで、$v$は(手番目線の)評価値、$m$は手です。

$B=\left\{(v,m)\in A\middle|v\geq v_{\mathrm{max}}-2X\right\}$

で定義される$B$を作り、$2X$石損以下の手を厳選します。なお、$v_{\mathrm{max}}$は最善手の評価値です。そして

$C=\left\{(s,m)\middle| s=\left(\exp\left(\frac{v-v_{\mathrm{max}}+1.5}{3}\right)\right)^{(10-X)}\right\}$

$D=\left\{(s,m)\middle| s=\frac{s}{c_{\mathrm{sum}}}\right\}$

softmax的に変換します。$c_{\mathrm{sum}}$は$C$の$s$の合計値です。

そしてここで$r$を0以上1未満のランダムな値として、

$r\leq\sum_{j=0}^{i}{s'_j}$

かつ

$r>\sum_{j=0}^{i-1}{s'_j}$

を満たす$i$を見つけ、$M_i$を着手する手として採用します。

レベル

AIのレベルを設定できます。

AIのレベルは、

という3つの観点で定義されます。レベルを上げると、中盤は深くまで読み、終盤の読み切りタイミングは早く、探索の精度の確率は上がります。

ここで設定するレベルは、AIの着手ヒント表示対局分析、Book学習の全てで統一して使われます。

「探索の精度の確率」と書いたのは、Multi-ProbCutという技術で用いられる確率のことです。Multi-ProbCutは、明らかな悪手の探索を省略するものです。確率が低ければ大胆に、確率が高ければ少しだけ省略します。なお、100%の場合は探索を省略しません。

各レベルのパラメータはグラフエリアに表示されています。下図はレベル27のグラフです。これを見ると、

ということがわかります。グラフに重ねて描画されるので、グラフの点がどのような探索の結果なのかがわかりやすいです。

スレッド数

ここでは、並列計算についての設定をします。

お使いのCPUが$X$コア$Y$スレッドであれば、$Y$に近い値に設定すると高速になると思います。

デフォルトで$Y$に自動的に設定されるようになっています。

ハッシュレベル

Egaroucidでは探索時に、一部の探索結果を保存しておきます。その保存領域の大きさを決められます。大きくするとメモリ消費量が増え、探索が高速になる可能性が高まります。

この保存領域において以下の表で示されるメモリを消費します。

ハッシュレベルメモリ消費量(GB)
250.75
261.5
273.0

内部的には、ハッシュレベルを$X$とすると$2^X$個の局面を保存できるようにする大きさのハッシュテーブルを作っています。

AIの着手設定

「AIが黒に着手」「AIが白に着手」によって、対局中でもAIの着手設定を変更できます。

両方のチェックを外せば途中から人間同士の対局(ただ石を並べるだけ)になります。

ショートカットキーをB(AIが黒に着手)とW(AIが白に着手)に割り当てています。

パスで一時停止

人間とAIの対局で、人間のパスの時に人間が明示的にパスであるというボタンを押すかどうかの設定です。下図はこのモードをオンにしたときで、黒番が人間ですが置く場所がないのでパスボタンが出現しています。

表示

メニューのここから辿れる機能です。

合法手への表示 > 合法手

盤面に合法手を表示するかどうか設定できます。合法手は水色の小さな点で表されます。

合法手への表示 > 石差評価

合法手のマスに評価値(最終石差)を表示するかどうか選択できます。ヒント表示と表記する場合もあります。

また、全ての合法手に対して評価値を計算すると計算が遅い場合、表示個数を選択できます。下の画像では4つを選択しており、これは上位4手の評価値を表示するという意味です。

評価値表示はショートカットキーVでオンオフできます。

合法手に評価値を表示するようにすると、その値を流用して自動でグラフが更新されます。

合法手への表示 > うみがめ数

bookに登録されている局面について、うみがめ数を計算して表示します。

マスの右下に、黒と白のうみがめ数が表示されます。

うみがめ数表示はショートカットキーUでオンオフできます。

うみがめ数計算においてbookを参照する深さも設定できます。デフォルトは60(bookのある限り参照する)です。

合法手への表示 > 定石

マスにマウスをホバーしたときに定石名を出してくれます。

対局情報に定石名は書かれていますが、それは「ここまでどんな定石で来たか」です。一方、この機能で表示されるのは、「この手に打ったらどんな定石になるか」です。

合法手への表示 > 直後の手

対局を振り返るなどして盤面を戻したとき、直後に打った手を薄く表示します。

なお、ここで「合法手への表示 > 直後の手 > 表示変更」を選択すると、紫の四角による表示に変更できます。

合法手への表示 > Book精度

Book精度をABCDEFの6段階で表し、表示します。また、Bookの内部情報にある、Book値を登録したAIのレベル、およびBookライン数を表示します。Book精度はAが一番信頼性が高く、Fが一番不完全です。Book値の登録レベルは値が大きい方が信頼性が高いです。Bookライン数は大きいほどBook値の信頼性が高くなる傾向があります。

ある局面におけるライン数は、ある局面から着手を進めてたどり着くことができる局面のうち、bookに登録されている局面の数を表します。数字が大きくなる場合にはK(1000倍)やM(1000000倍)などをつけて表示しています。

Book学習の際、信頼性の低い手を優先的に学習させると良いと思います。

なお、この表示をオンにすると、スペースの都合上、マスに「book」という文字は表示されなくなります。

Book精度は、その局面から各プレイヤが2石損未満の手を打ち続けたときのBook末端の状況で決まります。詳しくは以下の表を参照してください。

精度状態判定基準
A値に狂いはほぼない末端が全て完全読み
B高信頼1つ以上の末端が完全読みで、その他の末端は終局まで読み切り
C正確末端が全て終局まで読み切り
Dそれなりに正確末端の1つ以上が完全読みで、他に読み切っていない末端がある
Eまあ正確末端の1つ以上が終局まで読み切り
F値が怪しい末端に終局まで読み切った局面がない

石への表示 > 直前の手

直前に打った手を小さい赤丸で表示できます。

石への表示 > 確定石

盤面に存在する確定石を黄丸で表示します。なお、これは全ての確定石を計算できるものではありません。

この機能の実装には、AI内部で探索のために確定石を計算するところを流用しています。

石への表示 > 着手順

着手の順番を1手目から1、2、3と表示します。盤面と棋譜をあわせて表示したい場合に有用です。

例としてF.A.T.ドローは以下のようになります。

グラフ

AIによる形勢判断などの情報をグラフとして表示できます。

グラフは、AIの着手時、ヒント表示をしているとき対局の分析をしたときに自動で更新されます。

表示できるグラフは2種類あります。

評価値グラフ

評価値グラフは、AIが計算した評価値を表示するグラフです。グラフが上に行くと黒有利、下に行くと白有利です。

途中から打ち直した場合、分岐として黒色の線で表示されます。

累積石損グラフ

累積石損グラフは、黒番と白番のそれぞれで、石損(打った手が最善手からどれくらい離れているか)を初手から累積した値を表示します。黒線が黒番、白線が白番の累積石損を表します。途中から打ち直した場合、分岐として濃/薄灰色の線で表示されます。

グラフは0(一番上)から始まり、徐々に下に向かいます。グラフが大きく下がっているところは悪手を打ったところです。グラフがガクンと下がっているところの局面は、ガクンと下がっている方の手番にとって難しい局面だったという捉え方ができます。また、グラフが上の方でずっとキープできていれば、対局全体を通して良い手が打てたという意味になります。

表示・非表示

グラフの表示/非表示を選択できます。非表示にすると画像のように、薄灰色の点だけでグラフが描画されます。この点は0のところだけにあり、特に上下しません。

ログ

ログの表示/非表示を切り替えられます。

AIの計算中、ログには評価値が現れるので、本気で対戦したいときにはグラフと一緒にログも非表示にすることをおすすめします。

色調変更

グラフの色調を変更できます。色覚特性によってグラフが見にくい場合にお使いください。

制作者の意図としては、2型2色覚、および3型2色覚の方に見やすいよう配慮しました。もし色彩についてアイデアがありましたらぜひご連絡ください。

操作

メニューのここから辿れる機能です。

AIに1手打たせる

今の局面からAIに1手打たせることができます。ショートカットキーとしてGを割り当ててあります。

進む/戻る

局面を戻したり進めたりできます。これ以上戻れない/進めない場合、何も起こりません。

なお、ショートカットキーとして、単に右矢印キーを押すかDキーを押すだけでも局面を進められます。また、左矢印キーかAキーを押すと局面を戻せます。

さらに、グラフに表示されている白い縦線を左右にドラッグすることでも局面を進めたり戻したりできます。

待った

局面を戻すと同時に、直後の手を打たなかったことにできます。対局中に「待った」をしたいときや、石を並べているときに打つ手を変更したいときに使えます。

なお、ショートカットキーとしてBackSpaceを割り当てています。

この分岐を保存

人間同士の対戦設定にして石を並べている際、一度局面を戻し、前回と違う手を打つとグラフに黒線で評価値が表示されます(下図)。このとき、黒線を分岐側、白線を本筋とします。

この機能はショートカットキーとしてLを割り当てています。

分岐側の手筋は、分岐開始局面以前に局面を戻すと自動で消えてしまいます。しかし、「この分岐を保存」ボタンを押すと、分岐側の手筋を本筋にして、本筋だった手筋を消せます。上の図の状態で分岐を保存した後のグラフは下図です。

ランダム局面を生成

中盤局面をランダムに自動生成します。ヒントを非表示にして局面を生成しその局面の形勢を判断する、というオセロの勉強のために実装しました。

生成ボタンを押すと自動で中盤局面が生成されます。また、生成手数を変更することで、何手目の局面を生成するかを選択できます。

ランダム局面生成はショートカットキーとしてRを割り当てています。

この機能では、各着手に対して68%の確率で4石損以下、95%の確率で8石損以下の手を選びます。

この機能は、指定された手数までの各着手に対して以下の計算によって手を選んでいます。

平均0、標準偏差4の正規分布に従ってランダムに数値を出力する関数を$\mathrm{randdst_{0,4}()}$とします。

$E=\mathrm{round\left(\mathrm{randdst_{0,4}()}\right)}$

として、許容誤差$E$を整数で決定します。

与えられた局面に対して、評価値の集合を$A=\{(v,m)\}$とします。ここで、$v$は(手番目線の)評価値、$m$は手です。

$B=\left\{(v,m)\in A\middle|v\geq v_{\mathrm{max}}-E\right\}$

で定義される$B$を作り、$E$石損以下の手を厳選します。なお、$v_{\mathrm{max}}$は最善手の評価値です。

この$B$の中から手をランダムに選択します。

なお、この機能では強い手を選ぶ必要がないため、手の評価値はbook登録値または2手読みの評価値を使用しています。

変換

局面を以下3種類の方法で対称に変換できます。

ブラックラインはh1からa8のライン(初期局面で黒石が並ぶライン)、ホワイトラインはa1からh8のライン(初期局面で白石が並ぶライン)です。

AI操作 > 計算停止

AIの計算が終わらない場合など、このボタンを押すと強制的に停止できます。

AI操作 > キャッシュクリア

AIは探索時に一部の局面の評価値を自動で保存し、以降の探索を高速にする工夫をしています。この保存された局面を全て消去します。

入出力

メニューのここから辿れる機能です。

入力 > 棋譜入力

f5D6形式の棋譜を入力して局面を設定できます。大文字小文字、スペースは無視されます。

その場で棋譜を打つこともできますし、ペーストもできます。

「取り込む」ボタンで初手からこの進行をたどります。

「設定局面から取り込む」ボタンで、盤面エリアに設定された局面からこの進行を打ちます。

ショートカットキーは、Enterで「取り込む」、Escで「戻る」の操作ができるようになっています。

バージョン6.5.2からカーソル移動ができるようになりました。

現局面までの棋譜をコピーと対応した機能です。

入力 > 盤面入力

盤面を文字列として入力できます。

盤面をa1、b1、c1…、h8と一行に並べた状態を入力します。空きマスは"."または"-"、黒石は"X"、"x"、"B"、"b"、0"、"*"として、白石は"O"、"o"、"W"、"w"、"1"として表現します。混在しても構いませんし、スペースや改行を含んでも構いません。最後に手番として黒を表す文字か白を表す文字を入れます。下図では例として虎定石(f5d6c3d3c4)を入力しています。入力した文字列は

------------------XO------XXX------OXX-----O-------------------- O

です。

ショートカットキーとしてEnterを「取り込む」に、Escを「戻る」に割り当てています。

盤面を文字列でコピーと対応した機能です。

入力 > 盤面編集

盤面の石の状態を手動で設定できます。画面中央右の「色」のチェックボックスを選択し、左の盤面をクリックすることで好きに石を配置できます。最後に手番を黒番か白番か選んで「取り込む」を押すと反映されます。

ショートカットキーとして、置く色を変えるのに黒ならBキー、白ならWキー、空きマスならEキーを割り当てています。

また、Enterで取り込み、Escで戻ることができます。

入力 > 対局読み込み

Egaroucidは対局を独自形式で保存することができます。その対局を読み込む機能です。

保存日時、対局者、結果、メモがまとまって表示されるので、取り込むボタンで取り込めます。

対局数が多い場合にはスクロールできます。

ショートカットキーにはEscで「戻る」を割り当てました。

入力 > ビットボード入力

オセロAI開発者向け機能です。

Egaroucidでは内部でボードの表現にビットボード(64bit符号なし整数2つ)を使っています。この情報をそのまま手動で入力できます。

手番側と相手側のそれぞれを16進数として入力し、黒番か白番かを選択してください。下図では虎定石を入力しています。

"0x"はつけなくても問題ありません。また、先頭に0が続く場合は省略しても構いません。アルファベットの大文字小文字は両方対応しています。

Tabキーで入力エリアを切り替えられます。

ビットボード出力と対応した機能です。

Egaroucidでは最下位ビットがh8、最上位ビットがa1です。もし逆にしたい場合は取り込み後に盤面を180度回転させてください。

出力 > 現局面までの棋譜をコピー

盤面エリアに表示されている局面までの棋譜を簡単にコピーできます。

棋譜入力と対応した機能です。

出力 > 盤面を文字列でコピー

盤面エリアに表示されている局面を文字列としてコピーできます。

盤面入力と対応した機能です。

出力 > スクリーンショット

盤面のスクリーンショットを撮れます。クリップボードに画像をコピーする他、ドキュメントフォルダ内のEgaroucid/screenshotsフォルダに日時をファイル名として画像が保存されます。

画像の解像度は、Egaroucidの画面の大きさに依存します。高解像度画像が欲しい場合には最大化してからスクリーンショットを撮ってください。

出力 > ボードの画像を編集

オセロの盤面に自由にマークをつけ、画像を保存できます。オセロの解説冊子などへの利用を想定しています。

マークを選択し、自由に石やマスをクリックしてください。

この画面では石の配置の変更はできないので、石の配置は棋譜を入力するか、盤面編集をして作ってからこの機能を使ってください。

白黒印刷で綺麗に見えるよう、モノクロ画像への変換もできます。

「画像を保存」で、クリップボードに画像をコピーしつつ、画像を保存します。保存先はドキュメントフォルダ内のEgaroucid/screenshotsフォルダで、日時をファイル名とします。

ショートカットキーとしてEscを「戻る」に割り当てました。

画像の解像度は、Egaroucidの画面の大きさに依存します。高解像度画像が欲しい場合には最大化してから画像を保存してください。

出力 > 対局保存

対局をEgaroucid独自形式で保存します。最終結果やグラフの情報も自動で保存されます。

黒番と白番の名前とメモを書き、「本筋を保存」ボタンで保存できます。なお、「設定局面までを保存」では、盤面エリアに表示されている局面までの情報を保存できます。ですから、局面を戻してからこのボタンで対局を保存すると、戻したところまでが保存されます。

Ctrl+Vによってコピペが可能です。

ショートカットキーとして、Tabキーで入力エリア切り替え、Escで「戻る」操作ができます。

バージョン6.5.2からカーソル移動に対応しました。

対局を読み込みたい場合は対局読み込みから一覧を確認し、読み込んでください。

ドキュメントフォルダ内のEgaroucid/gamesフォルダにデータが保存されます。

出力 > ビットボード出力

オセロAI開発者向け機能です。

Egaroucidでは内部でボードの表現にビットボード(64bit符号なし整数2つ)を使っています。この情報をそのまま出力できます。

2つの64bit符号なし整数が16進数としてタブ区切りでコピーされます。2種類の方法でコピーできます。

例として虎定石(f5d6c3d3c4、白番)では、以下の文字列がコピーされます。

手番/相手: 0x0000100010100000 0x000020380c000000

黒/白: 0x000020380c000000 0x0000100010100000

Egaroucidでは最下位ビットがh8、最上位ビットがa1です。

ビットボード入力と対応した機能です。

Book

玄人向け機能です。Book関連機能はこちらに使い方の例やフォーマットの詳細などを書きましたので、併せてお読みください。メニューのここから辿れます。

Book操作設定

Egaroucidでは自動でbookを操作する機能(自動学習、自動削減など)があります。Egaroucidでは深さ、1手あたりの誤差、積算誤差、リーフ誤差という4つの項目で操作の設定を行います。

深さ$D$は、単にbookの深さを表します。初手から数えて最大で$D$手目までの局面を操作します。

1手あたりの誤差$E_1$は、その局面の最善手から$E_1$石損した手までを探索するという意味です。

積算誤差$E_{\mathrm{sum}}$は、bookの学習を開始した局面から石損を足していって、石損が$E_{sum}$以下となる手のみを探索するという意味です。

リーフ誤差$E_{\mathrm{leaf}}$は、bookにすでに登録されている局面の値に対して$E_{\mathrm{leaf}}$以下の石損をしているリーフのみを探索するという意味です。

なお、この設定にはチェックボックスがついています。チェックを外すとその項目が無制限として計算されます(Infと表示されます)。

Book操作 > 右クリックで編集

合法手を右クリックし、数字を打ち込み(テンキーも対応しています)、Enterを押すことで手動でbook値を修正したり、局面をbookに追加したりできます。

合法手を右クリックするとbook手動編集モードに入ります。同じマスをもう一度右クリックかEscキーを押すとこのモードを抜けられます。手動で値を入力した場合、book値を計算したレベルはAIの全ての設定よりも高い"S"として記録されます。

編集したbookはEgaroucidの終了時に自動で保存されます。デフォルトの保存場所はドキュメントフォルダ内のEgaroucid/book.egbk3です。

Book操作 > Book学習

これがbookの自動学習ボタンです。

学習を開始したい開始局面を作り、使用するAIのレベルとbookの学習設定を確認し、そこでこのボタンを押すと確認画面に移行します。

ここで「開始」を押すと学習が始まります。しばらく待つと「完了」と出るので、戻れます。

なお、学習中に強制終了したい場合は「学習停止」ボタンが出現しているので、押してください。学習中は不慮の事故防止のため、ウィンドウ右上のバツボタンを無効化しています。

編集したbookはEgaroucidの終了時に自動で保存されます。デフォルトの保存場所はドキュメントフォルダ内のEgaroucid/book.egbk3です。

この機能はバージョン6.5.1以降、Edaxにおけるbook deviateと似た実装になりました。

bookにはリーフという概念があり、「これはbookに登録されていない手のうち一番良さそうな手」という意味を持ちます。Egaroucidのbook学習機能は、このリーフをbookに登録するという作業を、条件が満たされる限り繰り返すことで実装されています。ですから、リーフの評価値と手があまりにもデタラメだと学習はなかなかうまくいきません。そんなときはリーフ再計算機能を使ってみてください。

Book操作 > Book修正

bookに登録された局面の繋がりを再計算し、末端からbook値をnegamax的に計算し、初期局面から孤立している局面を削除する機能です。また、この機能ではbookのライン数情報も同時に更新します。

修正したbookはEgaroucidの終了時に自動で保存されます。

デフォルトの保存場所はドキュメントフォルダ内のEgaroucid/book.egbk3です。

Book操作 > Book削減

bookの設定で設定した項目に従って、指定局面から先の局面に対して、あまりにも悪い手や、設定した深さよりも先の局面がbookに登録されていたら登録を解除します。

修正したbookはEgaroucidの終了時に自動で保存されます。

デフォルトの保存場所はドキュメントフォルダ内のEgaroucid/book.egbk3です。

Book操作 > リーフ再計算

book学習に少し書いた通り、book学習機能ではbookの内部情報として保持されているリーフという概念が非常に大事になっています。bookによっては(特に過去のegbk2やegbk形式をインポートした場合には)リーフの計算がうまくいっていない場合があります。そのような場合、この機能を使うことでリーフの評価値と手を精度良く計算できます。

この機能では、設定>レベルで設定できるAIのレベルと、bookの設定の項目で設定できる各項目が使用されます。

bookの自動学習と同様に、1手あたりの誤差、および手筋の合計誤差の条件を満たしているbookに登録されている局面を生成して、その局面のリーフを設定したAIのレベルで計算します。

レベルを上げたり、許容誤差を大きくすると計算時間が非常に長くなります。

Book操作 > ライン数再計算

Bookのライン数(その局面から先にいくつの局面が登録されているか)を再計算します。Book精度の表示をしている場合には値が更新されたことがわかります。

ファイル操作 > Book読み込み

様々なフォーマットのBookを読み込めます。対応フォーマットはEgaroucid形式().egbk3.egbk2.egbk)とEdax形式(.dat)です。拡張子がこれらのどれでもない場合は読み込みボタンが押せません。

読み込んだBookは内部で.egbk3形式に変換されます。.egbk形式は互換性の問題で読み込み時にAIのレベルを手動で設定する必要があります。

ファイル操作 > Book書き出し

現在使用しているBookをEgaroucid形式またはEdax形式でファイルに書き出すことができます。なお、EgaroucidはBookの変更があった場合には終了時に自動でBookを保存しますが、これはその機能とは別に、任意の場所にBookを書き出す機能です。

Bookの内部情報として、局面ごとに、その局面をレベルいくつのAIで探索したかという情報が含まれています。「書き出し」ボタンを押すと現在アプリ内で保持しているレベルで書き出されますが、「指定レベルで書き出し」を押すと、下部のバーで設定したレベルで書き出されます。Enterキーを押すと「書き出し」ボタンが押されたことと同じ挙動をします。

Egaroucid形式は.egbk3、Edax形式は.datという拡張子でパスを入力してください。それ以外の拡張子だと書き出せないようになっています。

Edax形式への変換は完璧な互換性を保証するものではありません。また、Edax形式への変換によって生じたいかなる問題にも責任は負いません。

ファイル操作 > Book統合

2つのbookを統合できます。統合したいbookについて、パスを入力するかドラッグ&ドロップしてください。

Egaroucid起動時に読み込んだbookに新たなbookを統合し、競合する場合はBook値を計算したAIのレベルが高い方で上書きします。レベルが同じ場合は新しい方で上書きします。

Egaroucid形式のbook(.egbk3)とEdax形式のbook(.dat)も使えます。Egaroucid形式の古いbookはBookの読み込み機能を使って.egbk3形式に変換してからこの機能をお使いください。

Edax形式からの変換は完璧な互換性を保証するものではありません。また、Edax形式からの変換によって生じたいかなる問題にも責任は負いません。

ファイル操作 > Bookの参照

起動時に読み込むbookを変更できます。パスを入力するか、ドラッグ&ドロップしてください。

デフォルトはドキュメントフォルダ内のEgaroucid/book.egbk3です。

Book情報

Bookに登録されている局面の情報を表示します。左半分にはAIのレベルごとに登録局面数を、右半分には打った手数ごとに登録局面数を表示します。この機能は簡易的な実装のため、少し見にくいです。

ヘルプ

使い方

このページへ飛べるボタンです。

Webサイト

Egaroucid公式サイトのトップページに飛べるボタンです。

バグレポート

バグ報告や機能追加依頼などができるGoogleフォームに飛べるボタンです。

自動更新確認

Egaroucidの起動時に更新を自動で確認するかを選択できます。

Egaroucidは過去バージョンとの互換性を極力高めて開発しており、最新バージョンでは様々なバグを解消していますので、常に最新バージョンへのアップデートを推奨します。

Egaroucid/Siv3Dのライセンス

Egaroucidのライセンス、およびEgaroucidで使用しているライブラリであるSiv3Dのライセンスを表示できます。

Language

言語を変更できます。日本語、英語、中国語に対応しています。中国語はユーザによる翻訳です。

jsonファイルで言語パックを作ることで他の言語にも対応可能(なはず)(フォントが対応している限り…)です。

言語パックはEgaroucidインストールフォルダの中のresources/languagesの中にある言語名.jsonです。ここに言語パックを追加して、languages.jsonに言語の英名と言語の表示名を書き、表示する言語名の画像を作れば、Egaroucidに反映できます。

もしご自身で翻訳された場合、ご連絡いただければその翻訳を公式採用します。ぜひご連絡ください。